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またテレビ番組の話題ですが。
坂本龍一の「schola」が面白かった。
昨日は「バッハ編」(3)。
音楽を志す学生たちとのワークショップのコーナーでは、「G線上のアリア」をまず主旋律(1stバイオリン)だけで聞いてみて感想を述べ合い、次に低音部(チェロ、コントラバス、チェンバロ)だけで聞いてみて感想を述べ合う。
だれかが低音部だけを聞いていると、バッハの作ったのと違うメロディーが浮かぶと言い、
「そこなんだよね!」と坂本さん。
そして、この低音部を聞きつつ各自メロディーを作るということを試みる…
バッハに忠実に、クラシック的なメロディーを作る者あり(わたしもきっとこんなふうになる)、ロック的フレーズをのせる者あり、バッハを基調に自分のオリジナルなメロディーを入れるというポップス的な作り方をする者あり…
坂本さんは「せっかくだから奇抜なのを…」と言って極端に前衛的な不協和音ばりばりなやつを……。
奇抜すぎます…(笑)
ただね、少々気になったのが、三線で参加していた少年が、メロディーをのせるのがちょっと辛そうだったこと。
西洋音楽に三線を合わせさせるというのは無理があるのでは。
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わたし高校生のときに部活で「G線上〜」さんざん弾きましたけど、バイオリンの技術がないので出だしの長く伸ばす音が非常に難しく、この曲練習するのあんまり好きじゃなかった。
それは低音部がないと実に物足りないからというのもあった。
どんだけ低音部が大切か…
というか、曲のつくりとして低音部ありき、なんだよね。その上にあの有名なメロディーがのっかっている。
また、「ゴールドベルク変奏曲」を例に出して、この曲は同じ低音部を用いてメロディーを様々に変えていくという作り方をしているという説明もあって、ああそうだったのかと。
それは同じコード進行を用いて様々なアドリブを生み出していくジャズと通じるものがあるとのことで、まったくもってその通りだなと思った(多分これ音楽好きな人は普通知ってるような有名な話だろうけれど、わたしはちゃんと理解してなかった)。
あとね、チェンバロの譜面には、一部数字が記入されているところがある、とのことだった。
それはコードを同じで、音符で弾く音が固定されているのではなく、数字の範囲内で?(その意味するところはちと聞き逃した)自由に弾いていいとのことで、何とバッハはそのような指示をしていたのか!、クラシックにも即興があったのか!と驚いたのでした。
この番組では、一つの音楽のテーマを計4週/月で学問として掘り下げ、第一シーズンの今回は、「バッハ」「ジャズ」「ドラムとベース」の3シリーズを取り上げるとのこと。
次回はバッハの最終回「再発見され続けるバッハ」。
そしてその次(5月)は「ジャズ」、6月は「ドラムとベース」かぁ。興味深いなぁ。
と、浮かれつつ…気に留めておきたいことは…
わたしなんぞは(というより日本で音楽教育を受けた人はみんな)十二平均律中心の音楽を刷り込まれてきているので、こういう音楽番組はとても勉強になる!面白い!と見てしまう。
もはやそれが世界を席巻しているんだから仕方ない、とも思う。
けど、「クラシックからロック、民族音楽まであらゆるジャンルの音楽を集大成した」というのであれば、西洋音楽を中心に据えた音楽観って本当はどうなのかな。三線の少年あたりから感じたことは気に留めておきたい。
朝ドラ「ゲゲゲの女房」、たまたま見てみたら、笑って泣けるいいドラマだった!
水木しげるの奥さん(=布美枝)がヒロイン。
お嫁に行く前にお祖母さん(=おばば。野際陽子)が亡くなるんだけど、死の直前、床についたまま孫娘の布美枝にこう語りかける。
「布美枝ちゃんは、ノッポで内気だけど、心の優しい子だから、いつか結ばれる人と、きっとご縁の糸でつながっとるよ。おばばは、いつも見守っているよ」。
やばい。泣ける泣ける。困るくらい泣けるよ。
だってまるで自分がおばあちゃんに言われたみたいなんだもん。
しかも、わたしもノッポで内気だしな…(笑)
そのあと、布美枝の父親(大杉蓮)が簡単な灯篭を作って川に流すシーンがあるんだけど、これがまた…
彼は、娘には母親のことを「おばば」と言うけれど、
いざ灯篭を流すときには、「お母さん…!」と言って号泣するのです。
先月祖父のお葬式で感じたことをこう書いたけれど(↓)、
自分のおじいちゃんが死んだということはもちろん悲しいんだけど、お母さんのお父さんが死んだ、ということが、胸に迫る。
やっぱり、やっぱりそうだよね。
最後に、「布美枝は父親が声を上げて泣くのを初めて見ました」というナレーションが入る。
普段泣かない男の涙…あー、こりゃ泣けすぎますよ。
うちなんか真央ちゃんとか「筋肉番付」とかで泣いちゃうような父親だから全然当てはまらないけど…(笑)
友だちも言ってたなあ、「祖母のお葬式で父が泣くのを初めて見た」って。
来週からは水木しげるとの新婚生活が始まります。どんなドタバタが巻き起こるやら…楽しみ。
見たいと思える朝ドラは「純情きらり」以来です。楽しみがひとつ増えました。
久々の青空。
空の青と桜のピンク。コントラストがきれいだな。
BSで水木しげるさんのインタビューを見たんだけど、面白すぎでした。
この世は地獄…と救いのない締めにもかかわらず、あの飄々とした語り口と波乱万丈な人生で、なんかちょっと元気が出たなー。