あぁ〜、『クウネル』、発売日に買っていたのに。今ごろ更新。
ガース・ウィリアムズ、ですよっ! 大好きです。
わたしには『しろいうさぎとくろいうさぎ』より、『大きな森の小さな家』のほうがより親しみ深い。前者は多分借りて読んだか何かで、後者は買ってもらって、かなり繰り返し読んでいたから。
やっぱり持っていたか否かで愛着度、思い入れの深さが違うね。
パーティのときのうすいモスリンのドレスとか、編み込んだつやつやの髪だとか、それはそれはうっとりと、どんなんだろう、って、何度も何度も眺めて想像していた。憧れて、憧れて。
肌触りやしわの感じ、髪の毛の一本一本まで伝わってくるような絵だったなあ。
白黒の絵だから、余計に想像たくましくして、夢見るように頭の中で思い描いたなあ。
あと、フライパンに雪を入れて、上から煮詰めたシロップをタラタラっと落とすところとか(これが固まって飴になるって書いてあった!――この原画が記事中に載っていました!)、父さんのバイオリンを弾く姿とか!(ああ、とまらない…)
なんとまあ、挿絵の力の偉大さよ。
そういえば文字がいっぱいつまった本が大好きな人が、「本に、絵はいらないと思っている」という強烈な発言をしていて驚きのあまり何も言えなくなってしまったことがあるが、こんな話をすれば良かったかもしれないなあ(どっちにしろわかりあえないにしろ)。
そうそう、あと、あらいぐまの「フランシス」シリーズも、ガース・ウィリアムズだったんだ!
言われてみれば、ほんとそうだよね。知りませんでした。
これもまた、子どもの心理描写と、大人の対応が、本当に素晴らしい絵本です。絵の力も、もちろんすごい。
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で、記事はどうだったかといいますと、ガース・ウィリアムズという人の途方もない人生に、びっくりでした。
60歳のときに40歳も年下の女性と4度目の結婚をして子どもまでもうけている!!
表紙になっている本は、マーガレット・W・ブラウンとの共同作品『ちっちゃなほわほわかぞく』の箱入り初版本。
何と表紙カバーに本物のうさぎの毛が使われているのです!!!(そりゃそういうこと考えるのはわかるけれど、やってみたい、って思うけれど、でも、本当にやってしまうなんて!)
箱の丸く切り取られた部分から毛がのぞくしくみになってるんだけど、なんというか、ちょっとリアルすぎて怖いんですけど…(本物の獣が中に隠れてるみたい…)
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インターネットで情報の異常な速さに慣れてしまうと、じっくりと紙媒体の活字を眺めるのが時間の無駄のように思えてくるのはわかる。
何か、いつも急き立てられているような世の中になってしまった。
でもね、それぞれが勝手に言いたい放題の文章(このブログみたいに)と、何人もの人が読んで推敲を重ねている文章は、やはり違います。
ちゃんとライターがいて編集者がいて、デザイナーがいて、DTPのオペレーターや、印刷所や製本の職人もいて、それぞれの技術を駆使したプロの仕事の集大成はやっぱり素晴らしいもので、だからこそ読者はページをめくりながら色んな刺激を与えられるのでしょう。
雑誌のビジュアルから与えられるのは、心の拡張と、ゆっくりとした時間。
優れた雑誌には、消えていってほしくないなと思う。
時代はすでに推移してしまっているので難しい面があることは百も承知だけど、インターネットではできなくて、すぐれた雑誌にできることが、あるはずなんだよなぁ(と、信じたい)。