文月遊亀 memo*

日々のこと、音楽や本のこと、心の赴くままに書いています。
簡単な自己紹介はプロフィールにて。

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8月31日(日)パナソニックメロディアスライブラリー
毎週日曜午前10:00〜10:30、東京FMにて、小川洋子さんがパーソナリティを務める「パナソニックメロディアスライブラリー」という番組が放送されています。
毎回1冊の本をとりあげ、それにちなんだ音楽とともに紹介していくという番組です。今年7月に、一周年を迎えたとのこと(HPは本棚が設置されていて、これまで取り上げられた本がズラリ。小川さんのコメント、アシスタントの藤丸アナウンサーのコメントも読めます!)。

全然知らなくて、今日初めて聞いてみたのですが、こんな素敵な番組を知らなかったとは、惜しいことをした。

今週は、AAミルンの『くまのプーさん』
小川さんは、「だれでも小さいころ大好きなぬいぐるみを持っていて、名前もつけていつも一緒にいて、夜にはそのぬいぐるみに、たどたどしい言葉で、お話を語り聞かせていたに違いない。大人になるとそれを忘れちゃうんだけど、この本はそのことを思い出させてくれる。幼児期に、自分がどんなことに幸せを感じていたかということも」とおっしゃっていました。
ちなみに小川さんは猫のミーちゃんというぬいぐるみを大切にしていたそうです。

石井桃子さんの訳も、ちょっと古風で、それが日本語の美しさを感じさせてくれるとおっしゃっていました。

「好きなキャラクターは?」と聞かれると、「ろばのイーヨー」と答えておられました。子どものころはプーさんだったけど、大人になって読み返してみたら、心配性なところや、いつも考えているんだけど本当に考えなくちゃいけない大事なことが抜けちゃってるところ(しっぽがなくなるところ)が何ともいいとのことで。

何しろ小川洋子さんの「おしゃべり」を聞けるというだけでも大変新鮮で、貴重です。いつも活字で接している方なので、こんな声で、こんな話し方をされるんだー、という驚きがあります。

音楽は毎回3曲かけるようなのですが、今日は最後の曲として、森や鳥にちなんでということで、ビートルズの「ブラックバード」がかかりました。

そして何と来週は小林多喜二の『蟹工船』です!
なんて幅の広いセレクト……素晴らしい。わたしも先日読んだばかりだし、小川さんがどんなふうに読まれたのか、非常に興味深く、楽しみです。

| 本・雑誌 | 11:19 | comments(0) | trackbacks(0)
8月25日(月)映画『華麗なるギャツビー』
村上春樹の新訳を読んだら、映画を観たくなったのだ。
以前読んだときと同じくどうもピンと来なくて、村上春樹が、これは原書で読まないとその良さは本当にはわからないというようなことを書いていたのを読み、それは無理だからせめて映画でならばその良さを味わえるかもしれない、と期待してのことだった。

すごく原作に忠実だったと思う。活字で読んだことを映像で確認して復習していくような感じだった。

豪華なダンスパーティー、美しい衣装。上流階級の生活ぶりもよく描かれていた。眼鏡の看板もいい感じ。
時代は1920年代。アメリカの1920年代というのは、日本のバブル時代みたいな感じなんだそうだ。
実に絢爛豪華なんだけど、74年の作品だからほどよく色あせていて、展開もおっとり、ゆっくりした感じで、それが何とも心地良い。

うむ。なんとなくわかりましたよ、春樹さん。お金と人間、恋愛、時間、年を取ること……一言では言えない色んなテーマが盛り込まれてる。なんて、ほんとはわかんないんだけど。でも、楽しめる映画だったのだ。大人になる悲しさっていうかなあ、人の身勝手さっていうかなあ、お金と時代による精神的な混乱っていうかなあ…淡々とした中に、深い何かをしみじみと感じさせる。

冒頭の文章も印象的なのです。
僕は若いとき、父親に言われた。「だれかを批判しそうになったとき、その人は自分と同じ環境で育ったわけではないことを思い出せ」。
ちょっと違ったかもしれないけど、こんな意味合いのこと。
春樹訳でも印象的だったけど、映画の冒頭でもちゃんと入っていて、字幕の訳も、簡潔で、あれはあれでとても良かった。

ギャツビー役はロバートレッドフォード。日本でやるなら三浦友和かしらん。
デイジー役の女優さんが可愛くてきれいだったー!

| 映画 | 23:54 | comments(0) | trackbacks(0)
8月22日(金)映画『それでもボクはやってない』
皆さまご存知の痴漢冤罪映画。
あまりにも今更ながらですが、ちゃんと観た。ずっと観たかったのに、見逃してました(そんなの多いわぁ)。

何もやっていない人が罪人にさせられていく過程を詳細に追った非常に真面目な作品ですね。もうちょっと笑える映画かと思ってた。

冤罪。なんて怖いんだろう。
警察はもちろん国。検察も国側。無罪にするのはそれに反旗を翻すこと。だから裁判官はなるべく無罪を出さないようにする……。

国家権力が強いのは当たり前のことだし、理不尽な目にあって罪人にさせられていくことは当然想像していたので、ちゃんと味方になってくれる裁判官がいて、親や仲間、別の冤罪事件で戦う人の協力も得て、健闘していく様子が頼もしくて、自分も主人公の身内か友達になった気持ちで観ていた。
なんとか無罪を立証してほしいと祈るような気持ちで。再現ビデオの撮影をして手の抜き方を確認したときは「よっしゃ!」と思ったし、重要参考人が見つかったときは「ヤッター!」と思った。

だから、最後のシーン、あまりの理不尽さに慄然としました。
やっていないのに、罰せられる。こんなことがあってよいのだろうか。

しかし、さすがにキャスト、豪華だなあ。あの母親役に何ももたいまさこさんを使わなくても。もったいない、という気がしてしまった。いや、もちろんいつものどこかとぼけた演技と存在感によって映画をいっそう面白いものにしていたことは確かですが。

学生映画や、まだこれからの監督の作品なんかを観た後だと、こういった、万人が面白いと思える映画を作るのはものすごく難しいのだと実感してしまいます。

| 映画 | 23:14 | comments(0) | trackbacks(0)
8月21日(木)映画『UDON』
音楽は壮麗なクラシック音楽(カルメンなど)。舞台はNYなど世界をまたにかける。
しかし本作品のテーマは「讃岐のうどん」。限りなく素朴な「うどん」。狙い通りだけど、その対比が面白いと思った。
突然アニメのヒーロー物(キャプテンUDON)が出てくるような派手さは、どうも苦手でありましたが…

香川はわたしも一度行ったことあるけど、ほんとにうどん大国だもんね。目から鱗のおいしさだった。ああすばらしきかな、うどん文化。

うどんブームってもっと前に来たと思うんだけど…なぜ06年にこういう映画だったんだろう。それがなんとなく不思議だった。ブームが来て、去っていくっていう設定なんだけどさ。
ユースケサンタマリアは、実は細くてかっこいいんだなと思った。

| 映画 | 23:28 | comments(0) | trackbacks(0)
8月17日(日)映画『スクールオブロック』

笑った笑った。
ジャックブラックの暑苦しさ全開で最高です。
子どもたちの担当楽器を決めるシーン(↑写真)なんてほんと吹き出してしまった。キーボードの彼にはドアーズの「タッチミー」を教えていたなあ。あーー、やっぱりいいねドアーズ! と笑いながらしびれてしまった。鍵盤入りのロックバンドっていうとどうしても限られるもんねえ(後のシーンではジャックブラック、この鍵盤君にイエスのCDを貸していた)。

教室でロックやらせててなぜバレないんだ?とか不思議な点は色々あるんだけど、ロックという音楽の素晴らしさを伝えるためだけに作られた映画と考えればそんなことはどうでもよい。

ロックというのはお金のない若い時代に、先輩や詳しい友だちから、雑誌やラジオから、あの手この手で情報や音源を集めて自分のものにしていくもんだと思ってたので(クラシックと違って誰も教えてくれない)、ロックヒストリーや理論を体系的に教わるってのがわたしの感覚としては妙なものに映った。
でももうそういう時代なんだよなあ。
親がロック好きで、子どもにバンドやらせるっていうのも普通になってるみたいだし。

それにしても「反抗すること」まで教えるのも変だと思ったり、まあロックを教えるってのはそういうことも含めてになるのかあ…と思ったり。

ラスト。子どもバンド(その名もスクールオブロック)はオーディションに出演するんだけど、これが素晴らしくて、校長もオカタイ保護者も子どもたちの演奏の素晴らしさを認めざるを得ない。
10歳の子に手取り足取り教えて演奏会をお膳立て?ロックってもっと自発的なもんじゃないの??なんて疑問も、最終的には子どもたちが自発的に動いたことですっかり解消。
何より演奏がすべてであって、その他のことはどうでもいいやと思わせてくれるだけの力を持った素晴らしい映画だった。

ロックバンドはいいね。楽しいよねえ、やっぱり。
最近まったりしてたりシリアスだったりする映画が多かったので、久々に単純明快で笑える映画を観て気分爽快でした。
| 映画 | 23:23 | comments(0) | trackbacks(0)
8月14日(木)映画『薬指の標本』

小川洋子さんの小説『薬指の標本』がフランス映画になると聞いたときから、きっと面白いに違いないと確信していた映画。やっと観る。

炭酸水に浸かる薬指の先っぽとか、古いお風呂とかはイメージそのまま。
だけど、フランスを背景に作り直すとさすがに雰囲気変わるねえ…。

設定が若干異なっていて、原作では主人公の女の子が活版を落としてしまって朝までかかって元通りに組み直すんだったけど、映画ではなぜか麻雀パイになっていたりした(麻雀パイは、標本にしてほしいと中国人から依頼された品という設定になってた)。

主人公の女の子が標本技師から贈られる靴も原作では黒だったけど、映画では深いボルドー色。細かいけど。これが本当に足にぴったり合った気持ちのいい素敵な靴で。洋服に合わせてこの色にしたのかなと思うんだけど、フレンチファッションと合ってそれはそれは可愛かった。
この女の子が唇ぽってり、胸も豊かで肉感的なんだけど、手足はすらっとして白く、まあなんとも魅力的で。

技師が彼女の靴を、足を愛するというところ、日本文学好きなフランス人は、谷崎を連想しちゃうんじゃないかな、とちらりと思った。

彼女は海のそばのホテル住まいで、ホテルから船に乗って職場に通う(これも原作と違った)。フランスの港町、情緒があって、美しくて、良かったなあ。

そしてラストも原作と違う。靴を脱いで出ていっちゃう。このラストシーンは、あれれ?でした。

とにかくどこを切っても絵になる、とろけちゃいそうに美しい映画だった。
原作と映画、二度おいしいという感じ。日本映画ではこの感じは絶対に出せないと思う。こんなに美しい世界を作り出してくださった監督に感謝です。
| 映画 | 23:15 | comments(0) | trackbacks(0)
8月13日(水)映画『天国と地獄』
横浜が舞台になっていると聞いて気になり、黒澤明の『天国と地獄』をDVDにて鑑賞。
やー、とーっても面白かった! なんで今まで観なかったんだろ?ってくらい。
感想を書きますが、ネタバレになるかもしれないので、これから観ようという方は、観終わってから読んでくださいね。

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横浜に注目して観始めたけど、始まりは室内。
ナショナルシューズという靴メーカーの重役・権藤氏(三船敏郎)の豪邸にて会社の方針を話し合う幹部たち。
その最中に使用人の息子が権藤氏の息子と間違われて誘拐され、身代金を持って権藤氏が電車に乗るまで、前半約1時間、舞台はずっとこの室内。ヒッチコックを思わせるような心理劇で、それぞれの立ち位置、微妙な動きも計算されていて無駄がない。すごい! 引き込まれる! ちっとも飽きない!
壁一面に広がる大きな窓から見える風景は確かに横浜チックで、窓を開けると、「ボオー!」っと汽笛の音がする。

犯人に指示されたとおり、こだまに乗って、窓から鞄に入れた身代金3000万円を投げるシーンを経て、その後は犯人捜査という展開なのだけど、ここでやっと実際の横浜の街が出てくる。
豪邸は山手かと思ったけど、西区浅間台にある。なんと、高校の学区内だったし、住んでた家と近い場所。浅間台は友だちが住んでた。
捜査は、犯人が電話でしゃべっていた内容から推測し、大岡川沿い、黄金町あたりの公衆電話から開始される。そんで車を特定し、共犯者の遺体(ヤク中の男女)を発見し(犯人が殺害)、ついに犯人は若いインターンだとつきとめる。
が、15年の刑ではなく極刑に処そうという意図から、警察は犯人を泳がせる。共犯者の筆跡に似せて「ヤクをくれ」と書いたメモを渡すと、彼はハッとして共犯者の二人が死んでいなかったと知り、ヤクを手に入れるために盛り場へ。
ちょっと悪そうな、遊び人風の若者たちが集まるダンスホール。港町の雰囲気たっぷり。外人もたくさんいる。伊勢佐木町あたりだろうか。もっと港のほうだろうか。

で、その手に入れたヤクを試そうとやってくる場所が、黄金町なのだ。中毒者たちが、よろよろとゾンビのように描かれている。もちろん誇張されてはいるだろうが、これが昭和30年代の横浜だったんだなあと思う。
あとでわかったけど、試されて死んだヤク中の女は、菅井きんだった!(よくわからなかった。)古い映画って、こんなところにこんな人が! ってのが面白い。
ちなみに犯人は山崎努。若い!! なかなかかっこいいです。

そうしてヤクを手に、共犯者のいる小屋へとやってきたところを逮捕される。
最後は獄中の犯人と、重役の権藤氏とのご対面。いくつか言葉を交わしたあと、わが過去と罪に苦しみの声をあげる犯人の前にシャッターがガラガラっと降りる……。

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非常に残忍な犯罪として描かれているけれど、現代の犯罪があまりにひどいので、それほどまでとは思えないのが悲しいところ。

あと、犯人の動機がいまひとつ弱いように思われた。
黄金町あたりの下町から毎日豪邸を眺めるうち、どうにも憎しみを抑えられなくなり…というのはわかる。逆恨みですね。悲しいかな、人間ってそういう気持ちを抱いてしまう生き物。
だけど、わざわざあんな凝った犯罪を犯すほどの動機とは思えないし、前半、企業内の確執とか金と命の問題とか、色々面白いテーマがあったのにそことあまりつながっていないようなのも、なぜかなあという気がする。

でも、すごく面白くって、140分と長いのに全然飽きなくって、とても楽しめる映画でした。
他にもモノクロの画面に一瞬だけ煙突から吐き出される煙がピンク色になったのも面白かった。

| 映画 | 22:54 | comments(0) | trackbacks(0)
8月12日(火)成城石井のコーヒー豆
 
東京の喫茶店にはおいしいコーヒー豆を売っているお店をいくつか知っているんだけど、横浜にはそもそもそういった喫茶店が少ないこともあり、あれやこれやと試して行き着いたのが、成城石井の豆。

成城石井といえば、言わずと知れた高級スーパーで、どの食材もいいお値段がついていますが、しかしコーヒー豆は、なぜか安い。
200gで500円くらい。

そりゃあ普通のスーパーではもっと安い豆が売られているけれど、ちゃんと豆の味のする良いコーヒー豆でこの値段は、かなり良心的だと思う。味と値段のバランスで考えると、ここのがベスト。今のところ。

毎朝豆を挽いてハンドドリップしたコーヒーを楽しむのが日課になっているので(真夏でも)、コーヒー豆は必需品なのです。

しかも種類も豊富。イタリアンロースト、フレンチロースト、モカブレンドとあれこれ試しています。今回はスペシャルブレンドというのにしてみた。甘みがあって味わい深い。気に入った。

成城石井の豆は、難を言うなら、新鮮さがもう一つというあたりかな。
お湯を入れて、ぶくぶくっと膨らむくらい新鮮な豆だと、もっといいのにな、と。残念なのはその点だけ。
| 食(つくる、食べる。お店も) | 22:39 | comments(0) | trackbacks(0)
8月10日(日)月光荘の便箋と封筒
  
銀座は月光荘にて買った便箋と封筒。
「桜貝のピンク」。
ほんと、まさに桜貝色。はかなく優しいピンクです。

封筒は、一枚の紙を切って、折って、作るのです。
切った小さな紙切れには、「愛は信じるもの 美しい涙をあげる」とか「余白も絵なり詩なり」なんて書いてある。
なんとも素敵で、この紙切れも同封したくなっちゃう(なんのこっちゃと思われるかな…)。

普通のビニール袋に入って売られているあたりも、なんだか、いいのです。
| 暮らしの楽しみ(食以外) | 23:48 | comments(2) | trackbacks(0)
8月9日(土)チェー!
銀座の「ラ・スコール」というベトナム料理やさんでご飯を食べました。
フォーは乾麺じゃなくて、生の麺。
触感がかなり違う。乾麺も大好きだけど、生麺ももちもちしていて、おいしかった。

そして、デザートに食べた“チェー”が期待以上においしくって、びっくりした!
チェーとは、ぜんざいのこと。
白玉と、小豆と、緑豆の、チェー。
かきまぜて、食べる。
ココナツミルクと小豆のハーモニー。白玉のもちっとした触感と、ココナツのカリッとした触感が、楽しい。栗も入っていたかな、これがまた、絶妙に、うまい。

沖縄でもぜんざいには感動したけど、このチェーにはやられました。
アジアはどこでもぜんざいを食べるのね。

ちなみに日本のぜんざいは大好物というわけでもない。沖縄のぜんざいや、チェーのほうが好きだなあ。
| 食(つくる、食べる。お店も) | 23:43 | comments(0) | trackbacks(0)
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