水天宮の「
ミュゼ浜口陽三ヤマサコレクション」という小さな美術館に行ってきました。浜口陽三・南桂子二人展「ひびきあう詩(うた)」という企画展。
南桂子さんの銅版画は前から見てみたいと思っていたし、その関連イベント「ミュージアムトーク 南桂子−“ものがたりが聞こえる”」(皆川明 、松長絵菜(料理研究家)出演)がとても興味深かったので。
ミュージアムトークは、皆川さんと松長さんがそれぞれあらかじめ好きな南桂子の絵を3枚選んでいて、どういうところが好きなのかコメントしたり、南さんの絵から感じることなどを話しあったり。
皆川さんの意見は「自分の世界にいるんだけど全く一人ではないというような、孤独の安心みたいなものを感じる」とか「見えているものを借りながら見えていないものを描いているような感じ」とか。すごく印象的だった。
絵の見方・感じ方が、さすがデザイナーだと思わせられるのだった。
松長さんは姿も雰囲気も声も可愛らしい人で、オレンジ色のワンピースがとてもよく似合っていた。あれはミナの洋服かな?
「優しい、あたたかい絵。幸せな気分でいっぱいになる」という感想は素直で率直で、心からそう思っていることが伝わってきた。
「クウネル」などでお名前は目にしていたけど、本は見たことがなくて、陳列されていたものをぱらぱらっとめくっていたら、本当に丁寧で心を込めた仕事ぶりが感じられて、心動かされた。
おいしそう、とか、かわいい、というのに加えて、紙面で表現されている豊かな空気が、とてもいい。
ほわほわとした乙女さんのようだけど、その審美眼、感性には決してぶれない確かさを感じた。そのようにして料理を作り、仕事をし、生活をしているのだなと思ったらなんだか変な話だけど、涙が出そうなほど嬉しくなってしまった。
わたしはがんばる女の子が好きだ。
南桂子さんの絵にもまた、似たものを感じた。
鳥、木、花、少女。眺めていると幸せな世界に吸い込まれていきそうだ。少女は哀しそうな目をしてはいるけど、あたたかな世界に守られている。
人間は皆一人で孤独、だけど生きることは素晴らしい、というような世界観を感じました。
トークの後にお茶会があって、松長さんのお菓子と紅茶をいただきました。
グラニュー糖をまぶしたフルーツゼリー。すごく香りが良くてかわいくておいしかった。
わたしがいただいたのは右のやつ。色も形もかわいい!
素敵なイベントでした。