大好きな街、西荻へ。古本屋を巡る。
にわとり文庫→興居島屋→花鳥風月→音羽館
にわとり文庫はわたしが住んでいたころはまだなかったんだけど、本当に素敵な古本屋さん。
ちっちゃいお店なんだけど、若い店主のセンスがびしばし感じられる。
店頭(店の外)では旅行ものが集められてた。小田実『何でも見てやろう』とか村上春樹『遠い太鼓』とか。
時期的に新刊書店でも旅行もの特集よくやってるけど、古本屋さんのこういう独自フェアみたいなのも趣があって楽しいね。
そこに並んでいた壇一雄の『美味放浪記』を買う。
ここの袋には、こんなにわとり型がパンチされていて、心憎いったらない。
レジ脇には飴が置かれていたりするのだけど、たかだか数百円の本を買って飴なんていただけません。ほんとにあたたかいいいお店。
店内で気になったのは、『婦人之友』60周年の表紙画集。おお! きっとわたしの知っている表紙絵がたくさんあるはず! と思って手にとってめくるが見覚えがない。
よく考えてみたら、『婦人之友』は2003年に100周年を迎えたのだから、60周年の年にはまだわたしは生まれていないのだった…
本日の戦利品。
(にわとり文庫にて)
■『美味放浪記』壇一雄著:『火宅の人』を読んで以来、ファン。
(音羽館にて)
■『U35世代のリアル』:同世代の生き方に興味アリ。だけど「ロストジェネレーション」と一括りにされることには抵抗も感じる。何しろわたしはラッキーなことにあの「女子大生就職氷河期」において恵まれた職場に就職して10年ぬくぬくしていたので…なんだか時代に合っていない…。
しかしあえてそんな良い職場を辞め今は零細編集プロダクション勤務。待遇の良い職場を求めて転職を繰り返す「ロストジェネレーション」世代の類型にはまったく当てはまらないのだ(あ、ここには書いていなかったけど、3月から働いてます。これについてはまた改めて)。
■『私の台所』沢村貞子著:ちょっとこれ100円でしたよ。安すぎ。
■『心映えの記』太田治子著:太宰治の娘さんは、津島佑子さんも太田治子さんも、どちらも気になるんだよねなんだか。
音羽館で近所に住む友だちと待ち合わせ。「こけし屋」も「どんぐり舎」も「それいゆ」も行きたかったが、今日は「
三月の羊」でお茶。
災いを遠ざけ幸いを呼び込むという「馬蹄型クッキー」を食べながら話す。シナモンとジンジャーと、てんさい糖のやさしい味。おいしい。あとバターもいいんだな。よつ葉バターだもんな。
そうそう、それでコーヒーがなんと京都の「
六曜社」の豆を使っているそうなのだ!
六曜社は一度しか行ったことないけど、あのドーナッツとコーヒーの味が忘れられようか! あとマスターのコーヒーを淹れる流麗な動きも!
店内で豆を売っていたので買って帰る。
深煎りの「ハウスブレンド」です。いいでしょ。いいなー、いいなー。ますますいいなー西荻。これだけ素敵な古本屋と喫茶店があって、そのうえ六曜社の豆まで手に入るんだもんなー…!
と浮かれ興奮していたからか、「どんぐり舎」の「ほろにがどんぐりブレンド」を買って帰るのを忘れた。ショック。
夜ごはんはこれまた色々な意味で大変に西荻っぽい「ほびっと村」で自然食。
ああ西荻に住みたい。