■映画「ユナイテッド93」
01年9月11日、テロリストにハイジャックされた4機のうち唯一目的を達することなく墜落した飛行機、ユナイテッド93。NY・ニューアーク空港発サンフランシスコ行き。飛行時間5時間ちょっと、アメリカ大陸を東から西へ横断して飛ぶ…はずだった。
これは、この飛行機の中で起こったことを忠実に再現した映画。管制塔の様子などは事実をそのまま再現したらしい。
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客もパイロットもスチュワーデスも、たわいもない会話をしたり愚痴をこぼしたりしながら搭乗。いつもの朝だ。
ニューアーク国際空港はこの間のNY旅行で利用したので、そういう意味でもものすごい臨場感があった。
やがて離陸。朝食をとったり本を読んだり化粧をしたりパソコンを立ち上げたり…。
いつもと変わらない、毎日繰り広げられる飛行機の中の光景。
テロリストたちが立ち上がるまでは。
それからは――ちょっと直視できないくらい、立ち上がって出て行きたくなるくらい、観るのが辛かった。やめてと叫びたかった。終わったあとも呆然として涙があふれてくる……。じつに衝撃的でおそろしい映画だった。
こんな映画が生み出されなければならなかったことがおそろしい。
でも事実を知らなくちゃいけない。真実を探らなくちゃいけない。辛い。