文月遊亀 memo*

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10月13日(土)村上春樹さんのこと

山中伸弥教授の「ノーベル医学・生理学賞」受賞に続き、
10月11日の夜、「ノーベル文学賞」受賞者が発表されましたね。
中国の莫言氏、でした。

有力候補とされていた村上春樹さんは受賞を逃しました。

ファンとしては複雑な気持ちもあったので、非常に残念!って感じではなかったです。

作品の価値が認められるという意味ではもちろん嬉しいけれど、
大騒ぎになって(『ノルウェイの森』の時のような)上っ面の理解本が出回ったり、
にわかファンが出現したりするのか…と思うとちょっとね。不快。


さらに、両親も読んだりするんだろなーと思うとますますもってゲンナリ、というか。

なぜなら、村上春樹はロックスターだから。
自分がロックバンドをやっていたとして、ライブに両親は呼べない、のと似てる。クラシックなら呼べるけど、っていう。
自分たちにしかわからない世界に親は入ってきてほしくないというようなティーンエイジャーなハートを未だに持ち続けているわたしであります。あはは。


あ、いやうちの両親はビートルズ世代であり春樹氏と同世代なのだけど、
60年代的カルチャーを通過してきておらず(なぜか)、
学生運動にもほとんど興味なしな人たち(なぜか)なので、志向性が全然違うというか。

むしろ子ども世代のわたしが影響うけまくりというのは面白い。


それにうちの両親が村上春樹的世界−−正常でない想像の世界、少し病んだ部分もあるような世界−−に入り込めるとはとても思えない。

春樹さんがロックスターだというのは、最近文庫化されたこの本を読んで確信した。
■『夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです 村上春樹インタビュー集1997- 2011』(文春文庫、2012年)


国内外におけるインタビュー集です。すっごく面白い! 
1997- 2011というのは自分が社会人になってからとほぼかぶるので、その時々の状況と照らし合わせつつ読みました。
以下、ブクログで書いた感想です。


村上さんは、読書体験を積み重ね(インプット)、29歳で初めて小説を書いた。

「僕はこれまでに自分が読んできたヨーロッパやアメリカの作家の作品から、あらゆるものを片端からかき集めるようにして借用したわけです。文体や、ストラクチャーや、とにかく何もかもをごたまぜに。その結果、僕は自分自身の日本語の、オリジナルなスタイルを獲得することができた。(p.214)」
というのを読んで、文学版フリッパーズギターみたい!と思ってしまった。

村上春樹はロックスターなのだ、だから自分は惹かれるのだなと思った。


20年来、わたしは村上春樹の熱心な読者です。
内容はもちろん、登場する料理やら音楽やら、
そういうものから受けた影響も大。
ドアーズ、ビーチボーイズ、ビートルズ、ビル・エヴァンス、スタン・ゲッツ、ブラームスやベートーベン…思い返せば、随分と追いかけて聴いてきた。
今のわたしの音楽的趣味の基盤を作ったといえるほど。


だからこのインタビューはすごく興味深かった。
どんな小説を読んできたか、どんなふうにして小説を書いているのか、小説で何を表現したいのか、長編小説と短編小説を書くときの違い、これまでの小説はどこで書いたのか、日本について、日本の小説についてどう考えているか…そういうことがよくわかって、とても面白い。

話される言葉も小説の文体のようにリズムがよく、ぐいぐい読んでしまった。


ご自身のエッセイや安西水丸さんの村上さん評、あるいは「エルサレム賞」受賞時のスピーチなどから、その人となりについての基本的な知識やイメージは持っていて、この本を読んで意外に思うようなところはまったくなかったけど、何しろもこんなにまとまったインタビュー集は初めて。
もれ聞えてくる情報とはボリュームが違う! お腹いっぱい。楽しめました。


村上春樹さんは人として実にまっとうな方であり、ストイックで健康的な生活を送り、混沌とした世の中にあっても良い物語で世界が変わると信じ、常に前に進もうとしておられることがよくわかった。

また小説を読み返したい。

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