文月遊亀 memo*

日々のこと、音楽や本のこと、心の赴くままに書いています。
簡単な自己紹介はプロフィールにて。

コメント大歓迎です。ピンとくる記事がありましたら気軽に書き込んでいただけるとうれしいです。
<< 3月22日(木)少しぐらい譲歩したほうが、すべてを失うよりずっといい | main | 7月18日(水)7月16日「さようなら原発10万人集会」のこと >>
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| - | | - | -
7月15日(日)生きるということを考えさせられた2冊

またまたお久しぶりです。
思ったり考えたりすることは山ほどあるのだけど書くのが追いつかない。

最近読んでよかった本から思ったことを。

-----

元「叫ぶ詩人の会」のドリアン助川さん、今は本名で執筆活動などなさっている明川哲也さん。
新聞での悩み相談コーナーの回答がいつも素晴らしい。数年来のファンです。

先日なやむ前のどんぶり君−世界は最初から君に与えられている』(ちくまプリマー新書)を読みました。
自分はなぜ生まれてきて、いかに生きればよいのか…この哲学的大命題に、明川さんは明快な答えを出されています。
一言でいえば、わたしたちは宇宙との関係を味わうために生まれてきた。
宇宙に心あるものが生まれなければ、宇宙がここにあるということを誰も証明できず、この全世界はこつ然と消えてしまうというのです。
だから、わたしたちは最初から祝福されているのだと。宇宙から望まれて誕生するのだと。

たとえば難病で生まれてから死ぬまでベッドで寝るだけの人生を送る人がいるとする。
でもこの人には存在するだけの価値がある。宇宙はこの人が誕生することを望んだ。彼はベッドから空を眺め、飛ぶ鳥を眺める。それで宇宙は存在を確認されるから。

ああそうか、と思いました。
素晴らしい考え方だなぁ…
と感じ入っていたところ、『しまがっこ溶けた 詩人 桜井哲夫との歳月』(金正美著)(※)という本を読んだ。

桜井哲夫さんは、らい病(ハンセン病)で17歳から60年間療養所に隔離され、病で手の指を奪われ、目も見えません。
でもその生き方の素晴らしいこと。たとえば。
「(略)こんなに不自由でかわいそうだってよく言われるんだけど、全然不自由だと思ったことないの。そりゃ実際は、介護してもらわなきゃ自分でご飯だって食べられないんだから、一人で生きていきなさいって言われても、それは無理な話なんだけど。でも気持ちの上では、まったく不自由ではないってこと。だってね、確かに眼と鼻はないけど、耳と口があるでしょう。耳と口さえあれば、あなたたちの話を聞くことができるし、こうして自分の気持ちを伝えられるでしょう。それで十分なの。何も不自由なことはないの」

「私たちはこのように隔離されました。それは確かにそうなの。それは法律で決められちゃったことだから、どうにもならないわけね。でも体は隔離されているけど、心まで隔離される必要はないわけ。それじゃ、ちょっとつらすぎるでしょう。じゃこの中でどうやって生きるか、ということになるんだけど、まずはここを国立療養所だと思わないの。私はここを国立大学だと思うことにしたの。勉強したければ、好きな本を注文して、朝から晩までずっと勉強するの。これだけ時間があるんだから、真剣に取り組めばかなりの知識をものにできると思うよ。三食ちゃんとご飯を食べさせてもらって、医者が健康の管理をしてくれて、看護婦さんもいるの。そう考えると、ここの生活も捨てたもんじゃないよ」

こんなふうに主体的に生きる。
見えない目で美しい花を見る。風を感じる。
そして、詩を作る。指がないため詩を作るときは頭の中で完結する。
命を削って言葉を紡ぎだす。

さらに、年金や詩集の売り上げを貯金してタイのハンセン病コロニーに寄付する。

まさに明川さんの説く、
「(生きるとは)この世との関係を味わい尽くすことである。そして可能なら、その中で表現をすることである」
という、まったくその通りの生き方ではないですか!
しかも桜井さんはユーモアがあり、とてもチャーミングな方。
見事です。なんという人間らしい生き方かと嘆息します。日本人の、いや人類の誇りだと思う。

翻ってわが身を省み、学び続けよう、そして何らかの形で表現していこう、と思うわたしです。

※在日韓国人である金正美さんが桜井哲夫さんとの8年間の交流を描いたもの。19歳〜27歳の金さんと70歳〜78歳の“哲ちゃん”との心の交流が、とても素直な言葉で綴られています。

| 本・雑誌 | 14:07 | comments(0) | trackbacks(0)
スポンサーサイト
| - | 14:07 | - | -
コメント
コメントする









この記事のトラックバックURL
トラックバック機能は終了しました。
トラックバック
CALENDAR
S M T W T F S
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31      
<< May 2020 >>
Maukie
SELECTED ENTRIES
CATEGORIES
ARCHIVES
RECENT COMMENT
RECENT TRACKBACK
LINKS
PROFILE