文月遊亀 memo*

日々のこと、音楽や本のこと、心の赴くままに書いています。
簡単な自己紹介はプロフィールにて。

コメント大歓迎です。ピンとくる記事がありましたら気軽に書き込んでいただけるとうれしいです。
<< 11月2日(水)神田古本まつり | main | 11月8日(火)9.19「さようなら原発集会&デモ」武藤類子さんの演説 >>
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| - | | - | -
11月6日(日)『グレン・グールド 天才ピアニストの愛と孤独』

銀座で『グレン・グールド 天才ピアニストの愛と孤独』を観てきた。
その昔ヴァイオリン弾きのSちゃんとグールドの映画を観たっけなぁ。あれも確か銀座だった。

今回の映画は、グールドが親しかった人たち、とりわけかつての恋人たちの証言をもとに人間グールドの実像に迫ろうとするもの。
小さいころの話、若いころの話、晩年(グールドは50歳の若さで死去)の話、
エピソードの数々が興味深く、グールドの語ることもその様子もおもしろかった(早口なの)。
あの独特のうなり声(歌い声)は、小さいころにお母さんから歌いながら弾くように教えられて、それが癖になっちゃったんだとか。
独特の粒だった音は、教わっていた先生の指導によるところが大きいとか。
同じ先生に教わっていた女性が弾いてみせてくれたのが、グールドの音とそっくりだったのでびっくりした。

かつての恋人は「知的でユーモアがあった」と言っていた。
いつまでしゃべっていても飽きなかったんだって。
そうだったんだなぁ。
イケメンで、知的でユーモアがある天才…そりゃあ魅力的だよね。

だけど結婚には結びつかなかった。
芸術と結婚という安定とが両立しえなかったんだと。だから生涯独身だったのだと。
ブラームスの言葉を引用したりして語られていた(ブラームスも生涯独身でした)。

芸術家は本当にそういう人が多いですね。家庭をもっていても破綻したり。
常に新しいものを生み出していかなくてはならない、創造的であるということと結婚という形は相容れないものなんだろうか。
その意味でグールドは典型的な芸術家だったといえるのだろうなぁ。

でも、息子の結婚を意識させまいと、親友の結婚式に両親を参列させようとしなかったり、
そんなごくごく普通の感覚、愛情ももっていた。優しい人だったんだと思う。
お母さんが入院したときには感染を恐れて病院にお見舞いに行かず、
死に目にも会えなかったことを生涯後悔していたという。

-----
自前の異常に背の低い椅子に座り、歌いながら奏でるのは従来とまったく異なる演奏。
そして晩年はレコーディングに没頭。コンサートからは足を洗ってしまった。
これは今のポップス的な音楽の作り方…。
先取りしていたんだなぁと、この点でも一歩先を行っていた人だったのだと改めて思った。

わたしは大学生のころ、ベートーベンのソナタ「月光」(特に自分が弾いてたから印象的だった)を聴いて、あまりに速くて、しかもその正確な粒だった音、酩酊するような見事な演奏に腰を抜かした経験があります。
クラシックでこんなことやっちゃっていいの!?って。

ピアニストのアシュケナージさんが「なんだこれは!」とびっくりしたと話していましたが、誰もがそう思うに違いない。

「グレンは音楽を一度ばらばらにして再構築する。時計を分解して再構築するように」
って証言があったけど、あぁ、なるほど…
あの演奏はそういうふうにして生まれているんだなぁ。すごく納得がいく。
だから他の演奏家とはまったく違うんだ。

実はわたしはグールドの演奏って以前はあまり好きじゃなかった。
声が入っているのも邪魔だと思っていた。
天才だと思うし、人となりにもすごく興味があったけど、好き嫌いでいえば大好きというわけではなかった。
でも今回映画を観て、また違った聴き方ができそうだなぁと思った。
「芸術家には何よりもオリジナリティが大切だ」「音楽の素晴らしさを届けたい」という姿勢や思いがよくわかったから。

象に向かって歌を歌ったり前衛映画みたいのに出て変な踊りを踊ったりしてる映像もあった。
笑ってしまったけど、貴重な映像だね。

音楽に人生のすべてを捧げた人。いつもいつも自分の音を表現していた人。

グレン・グールドという人が大好きになりました。
また観たい映画です。

さっそく演奏を聴いてみようと思って引っ張り出してきたら3枚ありました。下のがわたしが腰を抜かした、「月光」も入ったベートーベンのソナタ集。

で、気づいたのだけど、かの有名な「ゴールドベルク変奏曲」はどこ行っちゃったの?? 探しても、ない!誰かに貸したんだっけ?

わたしすぐ人に貸してしまって返ってこないことがあるからなぁ…

これ読んでくれていて、そういえば借りてる!なんて心当たりのある方がいらっしゃったらご一報を〜!(ないと思うけど^^;)


| 映画 | 22:12 | comments(0) | trackbacks(0)
スポンサーサイト
| - | 22:12 | - | -
コメント
コメントする









この記事のトラックバックURL
http://yukihitohira.jugem.jp/trackback/782
トラックバック
CALENDAR
S M T W T F S
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930 
<< June 2017 >>
Maukie
SELECTED ENTRIES
CATEGORIES
ARCHIVES
RECENT COMMENT
RECENT TRACKBACK
LINKS
PROFILE