文月遊亀 memo*

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10月22日(土)わたしたちは星のかけらでできています〜柳澤桂子著『いのちと放射能』

さて、先日先送りにしました、
いのちと放射能』柳澤桂子著(ちくま文庫)をご紹介します。


まず申し上げたいのは、「この本は大変素晴らしいので、ぜひ一人でも多くの方に読んでいただきたい!」ということ。
4冊のうちどれかをおすすめするならばコレです。
文字も大きく、あっという間に読めます。しかしその中に、わたしたちにとって大切な視点や有用な情報が盛り込まれています。

わたしはすでに2回読みました。
今後も繰り返し読んでいきたいと思っています。

著者は生命科学者の柳澤桂子さん。
放射能がなぜ恐ろしいかを、生命科学的な観点からしっかり説明してくださいます。
話は宇宙的なスケールに及びますが、それは放射能というものがそれほどのスケールで考えなければならないほどに恐ろしいものだからです。

構成の立て方がしっかりしていて、
目次を眺めるだけでも大切なことが伝わってきます。

私たちは星のかけらでできています
DNAはいのちの総司令部
DNAは親から子へ受けつがれます
放射能を浴びるとどうなるのでしょう
弱い放射能がガンを引き起こします
放射能はおとなより子どもにとっておそろしい
お腹の中の赤ちゃんと放射線
少量の放射能でも危険です
チェルノブイリの事故がもたらしたもの
人間は原子力に手を出してはいけません
これ以上エネルギーが必要ですか
それはこころの問題です
ひとりひとりの自覚から

話は宇宙誕生の歴史から始まります。
150億年ほど前に宇宙が生まれ、46億年ほど前に地球が生まれ、生物が生まれた。

地球上にある、水素、酸素、炭素、窒素などに稲妻や紫外線が働いて、くっついたり、離れたりしているうちに、いのちのもとになる分子が偶然にできあがったと考えられています。
私たちはお星さまのかけらでできているのです。

「私たちはお星さまのかけらでできている」。
なんだかドキッとします。そんなふうに考えたことなどなかった!
でもわたしたちは宇宙の一部なんだと。
“お星さまのかけら”か…
重要な視点だし、素敵なフレーズですよね。いつも心に留めておきたいです。

で、宇宙的なスケールで考えると、人間の歴史がいかに短いものであるか。
それがわかりやすくまとめられている箇所。

地球ができてからの45億年を一週間に縮めてみましょう。
地球の誕生を月曜日の午前零時とすると、生命が生まれたのは水曜日のお昼頃になります。
日曜日の午後4時に恐竜があらわれ、日曜日の夜中、23時57分に人間が誕生しました。
私たちはたった3分の歴史しかもっていないのです。

一週間のうち、たったの3分!
放射能の問題とは、その新参者の人間たちが宇宙に対して何をしようとしているか…ということなのです。

生物の特徴は分子をコピーしてどんどん増えることであり、放射能がなぜ恐ろしいかといえば、
それが細胞の中の情報テープ(遺伝子)に傷をつけることであり、その傷は子孫に伝え続けられるということなのです。(p.94より)

そのことを説明するために遺伝子(DNA)について詳細に説明されていて、ここはかなり難しいのですが、ざっくり頭に入れておくと放射能の恐ろしさを理解するのに役立ちます。

情報テープ(遺伝子)の中の文字がたった一つ違っただけでも大変な病気を引き起こすということ。
それが子孫に受け継がれていくということ。
細胞分裂中にDNAが複製されるときが最も放射線に弱く傷つきやすいということ。
放射能は少量でも危険であり、ガンを引き起こす可能性があるということ。
「何シーベルトまでなら大丈夫」なんてことは絶対にないのだということがわかります。

-----
一体、どうしてこのような事態に陥ったのでしょう。
それは「人間の弱さ」が問題なのではないかと柳澤さんは書いておられます。
「それはこころの問題です」と。

環境汚染は放射能だけではないことを私たちはよく知っています。
(略)
なぜクリスマスにみごとなイチゴを食べなければならないのでしょうか。
(略)
なぜ「ぬかみそ」をモーターでかきまぜなければならないのでしょうか。
消費電力の問題ではありません。こころの問題です。
(略)
おそらく私の知らないような不合理なことが、もっともっとおこなわれていることでしょう。
不合理の親だまが原子爆弾であることはいうまでもありません!
一部の人がより大きな利益を上げるために、環境はどんどん汚染されていきます。
私たちは何の考えもなしに一部の人たちの欲に踊らされて快楽にふけっています。
(略)
快楽に大きな危険と犠牲がともなっていることに気づいているでしょうか。
快楽をいくら追い求めてもそこに満足は得られないことに気づいているでしょうか。
欲望は際限なくふくらむことに気づいているでしょうか。
快楽も欲望も捨て去ったところに本当の満足があることを知っているでしょうか。
(pp.105-107)

-----
この本は、チェルノブイリの事故後に書かれたものです。
ショッキングな情報がたくさんあります。
チェルノブイリの事故によって起きたガンによる死者がどのくらいになるか、それをはっきり統計的に証明できないところにこそこの問題の恐ろしさの一端がある(p.88)
というのもそう。
放射能というのはそういう恐ろしさがある。

なおかつチェルノブイリの事故に関して、
カルフォルニア大学のゴールドマン氏の計算がふたつの恐ろしい事実を示すと書かれています。

,錣燭靴燭舛呂垢任砲修鵑覆吠射線を浴びてしまっているということ
▲船Д襯離屮ぅ蠅了故ではこれまでの全世界の核実験に相当すると言っていいほどの放射能が漏れたと考えられること

今回の福島の事故はチェルノブイリ以上と伝えられています。
つまり、わたしたちは今、思考停止に陥りそうなほどに、恐ろしい状況に生きているのです!
認めたくはありません。考えたくもありません。でも、これが現実なのです。

わたしにできることは、電気、水、紙…資源を節約して大切に使うこと、
脱原発のデモに参加すること、
自分が知り得た情報をこうしてブログに書いて紹介することくらいです。
この期に及んで原発を推進しようとする勢力に比べあまりにもちっぽけです。
でも、何もせずにはいられません。

わたしには子どももいないし、東北に親戚もいません。
だけど子どもがいるからとか、福島と関係があるとかそういう人だけの問題ではないと思うのです。
生命と自然への冒涜はやめましょうよってことなのです。

だって、わたしたちは星のかけらでできているんだから!☆★☆

柳澤さんの言葉を結びの言葉を引用します。

目覚めようではありませんか!
地球と生命をまもるのはわれわれ庶民なのです!
子孫に美しい地球を残すために世界の人々と手を取り合って、ひとりひとりが自覚して行動する勇気をもとうではありませんか。

「文庫版への長いあとがき」では、
「放射能の恐ろしさをお友達に、家族に知人に話していただきたい。人類は滅亡するかも知れないのだ。私たちは節約をして生きなければならない。特に電気は節約しなければならない。力を合わせて、地球を守ろうではないか!」と書かれています。
だからわたしはこの記事を書きました。

-----
「美しい地球を守る」なんて言うと、ちょっとね、
使い古された感のあるメッセージだし、話が大きすぎてピンとこない、ですよね。
何熱くなってんの?うっとおしいって思われそうな気もします。
伝えるってことは難しいです。

でもね、ほんとに大切なことって何なのかってことなんです。生きるうえで本当に大切なこと。
電気を消費するだけ、欲望や快楽だけでは本当の意味では豊かにはなれない。

ぜひ本書をご一読ください。
手と手を取り合いましょう。おのおのが自覚して行動しましょう。
柳澤桂子著『いのちと放射能』(ちくま文庫)定価560円です。

| 原発 | 01:23 | comments(10) | trackbacks(0)
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